実験データ

■ウサギを用いた目刺激性試験

試験名
ウサギを用いた目刺激性試験
試験日
平成16年3月22日から平成16年4月8日
試験機関
財団法人 日本食品分析センター
試験方法
  1. 1)日本白色種雄ウサギ3匹を一週間以上予備飼育を行い、一般状態に異常がないことを確認。
  2. 2)試験開始当日に、各試験動物の両眼の前眼部を検査し、異常のないことを確かめた。
  3. 3)各試験動物の片眼結膜蓑内に検体(ナノオーラスプレー)を0.1ml点眼し、約1秒間上下眼瞼を緩やかに合わせ保持した。他眼は無処理の対照とした。
    点眼後1,24,48および72時間に、スリットランプ(x10)[興和株式会社]を用いて角膜・虹彩・結膜などの観察を行い、Draize法の基準に従って眼刺激性を採点した。なお、必要に応じてフルオレセインナトリウムを用いて、角膜上皮障害の有無と程度を詳細に観察した。
  4. 4)得られた採点値を用いて各試験動物の合計評価を計算し、各観察時間ごとに3匹の平均合計評点を求めた。観察期間中の平均合計点の最高値から表1に示した基準に基づき検体の眼刺激性について評価を行った。
表1 眼刺激性の評価
平均合計評価点の最高値 区分
0~5.0 無刺激物
5.1~15.0 軽度刺激物
15.1~30.0 刺激物
30.1~60.0 中刺激物
60.1~80.0 中~強度刺激物
80.1~110.0 強度刺激物
検査結果
表2 合計評点の経過的推移および眼刺激性の評価
試験動物 各観察時間における合計評点
1時間 24時間 48時間 72時間
1 0(0) 0(0) 0(0) 0(0)
2 2(0) 2(0) 0(0) 0(0)
3 0(0) 0(0) 0(0) 0(0)
平均合計評点 0.7(0) 0.7(0) 0(0) 0(0)
眼刺激性の評価 無刺激

括弧内に対象眼の結果を示した

試験眼では点眼後1時間に1例(試験動物2)で目瞼結膜の発赤(点数1)が見られたが、48時間後に消失した。残る2例の試験眼および全例の対照眼では、観察期間を通して刺激反応は見られなかった。試験眼および対照眼についてフルオレセインナトリウムによる検査を点眼後24および72時間に行ったところ、いずれも染色は見られなかった。観察期間中の平均合計評点の最高値は試験眼では0.7(点眼後1および24時間)、対照眼では0であった。 
評価
検体(ナノオーラスプレー)について、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals 405(1987)に準拠し、ウサギを用いた目刺激性試験を行った。 ウサギ3匹の片眼に検体を0.1ml点眼した結果、点眼後1時間に1例で眼瞼結膜の発赤が見られたが48時間に消失した。Draize法に従って算出した観察期間中の平均合計評点の最高値は0.7(点眼後1および24時間)であった。以上の結果から、ウサギを用いた眼刺激性試験において、検体は「無刺激物」の範疇にあるものと評価された。

■アンモニアの吸着・分解試験

試験日
平成15年12月8日
試験機関
株式会社アイエンス 分析センター
試験方法
試験を行うサンプルを用意する。

  1. 1.発砲スチロール(ナノオーラコーティング)
  2. 2.スポンジA 穴あき(ナノオーラコーティング)
  3. 3.スポンジB 穴なし(ナノオーラコーティング)
  4. 4.繊維(ナノオーラコーティング)
    1. 1)アンモニアのガスを調整(50リットル)
    2. 2)試供品3点(2,3,4)をテトラバッグ5リットルの中に入れ、粘着テープを用いて密封
    3. 3)試供品1はサイズが大きいのでテトラバック10リットルを使用
    4. 4)試供品3点(2,3,4)はアンモニアの調整ガス3リットルをテトラバッグの中に充填。試供品1はアンモニアの調整ガス10リットルをテトラバッグの中に充填。
    5. 5)紫外線 ブラックライト ナショナル殺菌灯GL-10を使用し、試供品より約15cm(2,3,4)約25cm(1)上部から紫外線照射。
    6. 6)最初から30分は暗室に放置、その後、紫外線照射。
    7. 7)スタート時、10分後、30分後、1時間後のアンモニア濃度を測定。
分析方法
ガス検知管法
0~30分までは暗室放置、以後紫外線照射
サンプル 経過時間
0 10 30 60 120
発砲スチロール 11 1.5 1 1 0.5
スポンジA穴あき 11 3 2 1 0.5
スポンジB穴なし 11 1 0.5 不検出
繊維 11 2 1.5 0.5 0.2

不検出=0.2ppm未満 単位ppm

■トリインフルエンザウィルス試験

使用ウィルス
A/Turkey/Ontario/7732/66(N5N9)(105.5TCID50/100μl:約31万個/100μl)
試験方法
トリインフルエンザウィルスと1%ナノオーラPBS0.9ml混合し、ローテーターで混合した。0,5,15,30後にサンプリングし、1万回転遠心分離5分後、上清のウィルス量を測定した。上清のウィルス量はMDCK細胞を用い50%感染価(TCID50:Tissue Culture Infectious Dose 50%)をもって測定した。
※PBS ・・・ 細菌類を殺さないように保持する溶液
試験結果
一回目はナノオーラをPBSで1%懸濁液にしたが、十分PBSで懸濁できず1mm程度の沈殿物が存在したため、不活性率が低く出たと考えられる。2回目は粒子を均一化するため、ナノオーラを乳鉢で十分砕いた後、PBSで1%懸濁液を作製した。従って2回目の結果をまとめると、約300,000個のウィルスが、30分間1%ナノオーラ懸濁液と混合することで、約297,000個のウィルスが不活性化された。

30分で99.0%のウィルスが不活性化された。

■大腸菌試験データー

試験名
ナノオーラの暗所における大腸菌抗菌効果の検討
試験日
2003年12月1日
試験機関
厚生労働省指定機関 愛知県薬剤師会 生活科学センター 第5696号
試験方法
  1. 1)試験菌株 Escherichia coli(IFO3972) 大腸菌
  2. 2)使用培地 MHB培地:Muller Hinton Broth(DIFCO)
    普通寒天培地デオキシコーレイト寒天培養地
  3. 3)試験用菌液の調整試験菌株を普通寒天培地で2代継体後、MHB培地に接種し35℃、24時間培地し、滅菌生理食塩水で適宜希釈し、接種用菌液とした。
  4. 4)試験操作
    1. 1.滅菌生理食塩水にそれぞれナノオーラを0.5%、1.0%となるように加え、試験用溶液とした。
    2. 2.試験用溶液に接種用菌液を加え、35℃において攪拌しながら培養を行った。またブランクとして、ナノオーラを加えないものについても同様に培養を行った。
    3. 3.2.で培養を行っている試験溶液を1分、5分、10分後の採取し、デオキシコーレイト寒天培地を用いて混釈法により大腸菌の菌数を求めた。
0分後 5分後 10分後 20分後 30分後
ナノオーラ1% 220000 86000 110 0 0
ブランク 210000 220000 230000 230000 250000
試験結果
ナノオーラ1.0溶液においては、220,000個の大腸菌が20分後に全滅した。